ナミダボシ
「何してんすか、先輩方」
ふと、今までと違う男の子の声が聞こえた。
声が聞こえた先に視線を動かす。
するとそこには、男の子が2人立っていた。
一人は明るい茶髪の子で、学ランの中にパーカーを着ていた。
もう一人は黒髪で、無愛想でこっちを見ていた。
「斉乃、唐木!!」
男子グループの方々は、驚いた…というか、怖がってるような表情で後ずさった。
「いや、これはだな…っ」
「問答無用―っ」
パーカー男が一歩足を踏み出した途端、一目散にグループの人たちは逃げていってしまった。