ナミダボシ
呆然と立ち尽くしていると、パーカー男はあたし達の元へやってきた。
「大丈夫?」
「あ、はい…」
「そっか。なら良かった!!」
ニカッと爽やかな笑顔でそう言った。
すごく優しそうな人…。
なんて思ってると、無愛想男も近づいてきた。
「陽介。ほら、行くぞ」
パシッと軽くパーカー男の頭を叩き、スタスタと歩いて行ってしまった。
「いってーな、こーた!!…んじゃ、気をつけてなっ」
パーカー男はそう言うと、駆け足で去っていってしまった。
「あ、早苗。早く行かないと遅れちゃう!!」
「…あ、うん」
そういえば、お礼言えなかったな…。
何年生なんだろう、あの人達。