水音
あたしの毎日は順調だった。
恐いくらいに…



あれから、一度だけ携帯の充電を入れた。

留守電には両親の怒声。

三日前の事だった。

それまであたしがいなくなった事すら気付かなかったのだろうか?

友達からも何件かメールが入っていた。


〔悠奈ぁ、合コンいかない?〕
〔悠奈どっか悪いの?〕
〔おーいッ!電話通じないょ?〕


それだけで十分。
あたしを心配してくれる人たちがいた。


ごめんなさい。

でも、もう戻ることはできない。

快さえいればいい。


携帯を解約して、新しい物を買った。

新しいメモリには、快と店の人たちだけ。



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