水音
†海音†
快と出会ったのは大学2年の春。
あたしは全てを投げ出した。
途切れることなく続いていくだろう運命の螺旋を自ら断ったのだ。
公務員の両親、恵まれた家庭、優しい彼氏、楽しくいられる友達…
何も不幸を嘆く要素はない。
きっとこのまま大学を普通に卒業し、どこかの会社に普通に就職し、誰かと普通に結婚し、暮らすのだろう。
ただ嫌気が差しただけ…
努力して築いてきた幸せが、どこか違う物に思えて恐かった。
みんな上べだけの幸せ…
空っぽの幸せ…
この生活は指先一本で崩れてしまうのではないか?
これがあたしが望んだ物?
そんなことは、誰だって不安に思うことかもしれないけれど、あたしは弱い…
失ってしまった色彩…
どうしようもない焦燥…
私は全てを投げ出した。私自身を捨てた。
持ち物はレトロ柄のボストンバックだけ…
中身は、携帯
煙草
財布にありったけのお金
お気に入りの洋服
それだけ。
あたしは全てを投げ出した。
途切れることなく続いていくだろう運命の螺旋を自ら断ったのだ。
公務員の両親、恵まれた家庭、優しい彼氏、楽しくいられる友達…
何も不幸を嘆く要素はない。
きっとこのまま大学を普通に卒業し、どこかの会社に普通に就職し、誰かと普通に結婚し、暮らすのだろう。
ただ嫌気が差しただけ…
努力して築いてきた幸せが、どこか違う物に思えて恐かった。
みんな上べだけの幸せ…
空っぽの幸せ…
この生活は指先一本で崩れてしまうのではないか?
これがあたしが望んだ物?
そんなことは、誰だって不安に思うことかもしれないけれど、あたしは弱い…
失ってしまった色彩…
どうしようもない焦燥…
私は全てを投げ出した。私自身を捨てた。
持ち物はレトロ柄のボストンバックだけ…
中身は、携帯
煙草
財布にありったけのお金
お気に入りの洋服
それだけ。