水音
それから、明け方まで飲み明かした。

最後の方は何を言ったか覚えていない。

気がつくと、朝の八時半。

飛び起きると、周りにはおびただしい数のグラスと空き瓶。



隣の席にはコウさんの寝顔。

長い睫毛が朝日に透けて綺麗…。

思わずみとれてしまう。


あたしの肩にかかっていた毛布らしき物をコウさんにかけて、グラスの水を一気に飲み干し、隣の雑貨屋を覗いた。

裏口はすでに開いていて、

紗季さんがすでに開店の準備をしていた。

「あれ?悠奈ちゃん早いね!」

紗季さんがあたしに気がついた。

あたしは一部始終を話した。

「よく無事だったねぇ!気をつけなよ〜☆」
「ハ〜イ」

コウさんはそんなに女ぐせ悪いのか?

と思いつつ、店の準備を手伝おうとした。


「いいよ!そんな寝てないんでしょ?今日は帰りな!午後から健太も来るし!」

どうしよう。

家に帰れないし…
と思ったが、これでは仕事にならないと思い、好意に甘える事にした。


快はもう仕事に行っている時間だし…。

あたしはとりあえず、アパートへ向かった。








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