水音
その不安な心が安定を求める。


あたしはまたコウさんのバーへ向かう。



ここは居心地がいい。

あたしの存在を受け入れてくれる場所。


『何かあったらいつでもおいで。』





ここに入れば寂しくはない。

ここに入ればいつでもコウさんがいる。



安定した毎日に嫌気が差していたはずなのに、今は不安定を恐れている。




あたしは勝手で我が儘な人間なのかもしれない。



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