水音
†真実の水音†
「悠奈ちゃん、出かけるべ!」


突然、コウさんが言い出した。


「えッ?」



コウさんはあたしの手を引いて店を出た。


あたしは戸惑いながらコウさんについていく。



春とは言っても、夜風は冷たい。


あたしの熱った頬を冷やしてくれる。




真夜中の静かな街に二つの足音が響いていた。






静かすぎてあたしの鼓動までコウさんに聞こえそうだった。




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