水音
着いた所は海。


あたしが初めて来る海岸だった。


遠くに街の灯りがキラキラしている。



「綺麗…」


思わずそう漏らしてしまう。


「オレのお気にの場所!」


そう言うと、しばらく手を繋いだまま、海を眺めた。

繋いだ手から伝わるコウさんの温もりが暖かい。



あたしの心臓の音だけが異様に煩いんだ。






ふと、コウさんが手を引いたまま歩き出した。


「え?」





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