水音
アパートのドアを開ける。
快の姿はなかった。
少しほっとしたあたし。
きっと、仕事へ出かけたのだろう。
あたしは今日は休みだ。
あたしは荷造りを始めた。
来たときは、バックひとつだった。
でも、一年であたしの荷物はバックに入りきれないほどになっていた。
あたしは最小限の荷物を、来たときと同じ、レトロのボストンバックに詰め込んだ。
今日でこのアパートともお別れ。
あたしは荷物を整え、快の帰りを待った。