水音
†鳥籠†

遮光カーテンで光の届かない暗い部屋…。

僅かな隙間から一本だけ光が差し込んでいる。



その隙間から見える、少しの青色。


今日は晴れているのだろう。



手を伸ばせば掴めそうな空なのに、決して届かない。


身体中が痛くて、手がうまく伸ばせない。


あたし、どうしたんだっけ?





働かない頭でぼんやり考える。



傷だらけの体。


ベッドの下に投げ出された洋服たち。


いつものように寝息を立てている快の姿。




だけど、確実にいつもと違う朝だった。




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