水音
「あたし、仕事へ行かなくちゃ…。」


そう言って、また逃げようと試みる。





「逃さないよ?」



「えっ…?」



あたしの手を掴んでいる、手の握力がみるみるうちに強くなった。


「痛っ…」



とたんに昨夜の恐怖が蘇る。





あたしきっと、死ぬまで鳥籠からでられないんだ。


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