Tears

小さな声で話しかけてみるものの
やっぱりこの距離からは届かない。


「あのー!」


大きな声で叫んでみたら、
立ち止まって振り返ってくれた。


聞こえたのかなっ?


きっとあの人だ!


ちょっとうきうきしながら
走り出そうとした瞬間、
足元がふらついた。


スローモーションで
景色が流れて行くのが分かる。


あれっ…?


雨の中誰かが走ってくる音がして、
私はすぐに意識を手放した。








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