Tears

「もしもし?お母さんだけど」


留守電には懐かしい声が入っていた。


「今度はいつ帰ってくるの?
 お父さんも未紅の顔見たいって」


そういえば最近全然帰ってなかった。


最後に帰ったのは半年くらい前。


一人暮らし始めたばっかりの頃は
何かある度に家に帰ってたのに。


「とりあえず、帰って来るときは
 連絡ちょうだいね!
 未紅の大好物ちゃんと作って
 待ってるから」


お母さんの優しい声。


なんだかあたしまで


少し優しくなれた気がした。



 
< 4 / 25 >

この作品をシェア

pagetop