Tears
「もしもし?お母さんだけど」
留守電には懐かしい声が入っていた。
「今度はいつ帰ってくるの?
お父さんも未紅の顔見たいって」
そういえば最近全然帰ってなかった。
最後に帰ったのは半年くらい前。
一人暮らし始めたばっかりの頃は
何かある度に家に帰ってたのに。
「とりあえず、帰って来るときは
連絡ちょうだいね!
未紅の大好物ちゃんと作って
待ってるから」
お母さんの優しい声。
なんだかあたしまで
少し優しくなれた気がした。