甘い甘い恋
ごんっ!!
突然開いた扉はあたしの顔面を直撃し鈍い音をたてた。
「いったぁ!!!」
あたしは当然、痛くて叫んだ。
「うっせぇな!人の部屋の前で突っ立ってんな!」
一人の男があたしに怒鳴りつける。
年齢はあたしと同じ高校生っぽい。
「…ひっど。あたしは引っ越して来たか気になってただけなのに!」
あたしはプンスカ怒った。
「…ふっ。お前中々面白いな。まぁ自己紹介でもすっか。俺は今日ココに引っ越して来た“望月雷哉(モチヅキライヤ)”よろしく。」
手を差し出してくる。
少し頬を赤らめて。
「…あたしは賀川美嘉(カガワミカ)。こちらこそよろしく。」
差し出された手を握る。
先程の憎たらしい態度はどこかに消えたみたいだった。