甘い甘い恋
「雷哉?どうかいたしました?」
またドアを開けて出て来た。
敬語を使う美少年があたしを見る。
髪の色は金髪だった。
どこか違う国から来た王子様みたいだった。
「おっ!瑠衣!こいつ隣人だって!」
あたしを指差して雷哉が言う。
「こいつじゃない!美嘉!」
あたしは雷哉に言う。
「雷哉?レディには優しくしなければならないでしょう?」
金髪の王子様が言う。
「ったく、うっせぇな!瑠衣わ。」
雷哉があたしの目の前で王子様と言い争う。
この二人は全く顔が似ていない。
兄弟じゃなさそうだし…。
二人とも高校生ぐらいだ。
双子?二卵性?
まさか…ね…。
「申し遅れました。僕は“畑中瑠衣(ハタナカルイ)“と言います。お隣り同士仲良くいたしましょう。」
長い長い自己紹介がおわった。
「…あたしは賀川美嘉。よろしく。」
瑠衣くんは微笑んだ。
柔らかくニコッと。
優しい瞳で。