甘い甘い恋

「美嘉ちゃーん?靴は履け…」

伊吹先輩の言葉が止まる。

「…美嘉ちゃんどうかした…?」

「…何がですか?」

あたしには伊吹先輩が何を言ってるかわからなかった。

「…何がって…美嘉ちゃん泣いてるから」

伊吹先輩があたしの涙を救う。

今日色々ありすぎてわからなくなって涙が溢れた。

今たまらなく瑠衣と雷哉に会いたい。

会って謝りたい。

逃げてゴメン。

ちゃんと向き合いたい。

そう言いたい。

「…行こう。美嘉ちゃんには俺もいるから。」

あたしは伊吹先輩に手を握られ連れてかれた。

校門まで来てハッと我に帰った。

「…伊吹先輩…あたし行かなきゃ…」

あたしは学校に引き返した。

「美嘉ちゃん!!!!」

伊吹先輩に呼ばれあたしは振り向いた。

とした瞬間…

チュッ…

短い音をたてた。

あたしは伊吹先輩にキスされた。
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