甘い甘い恋
「いやっ!!!」
ドンッ!
あたしは伊吹先輩を押した。
「…美嘉ちゃんが悪いんだからな。俺は…ただ…」
「美嘉は悪くねーよ。」
「悪いのはそちらでしょう」
伊吹先輩が言った後に声が聞こえた。
今1番会いたくて
今1番声を聞きたくて
たまらない人の声…
「…瑠衣…雷哉…」
あたしは目をこする。
夢じゃない。
そう思えた。
「誰だよお前ら。俺は美嘉ちゃんに用が…」
バコッ!!!
勢い良く音をたてて伊吹先輩が倒れた。
「…雷哉…殴ってはダメでしょう…」
瑠衣が雷哉を止めた。
「…だってお前の彼女の唇が奪われたんだぞ?良く黙ってられるな…」
雷哉が殴った拳を撫でる。
「…そうですね…」
ガンッ!!!
次は瑠衣が伊吹先輩を蹴っ飛ばす。
「お前もやってんじゃねーか。」
「ふふふ」
雷哉が言うとあたしは笑みが自然にこぼれた。