甘い甘い恋
「…馬鹿なこと考えんなっ……」
雷哉も涙を流しながら言った。
「…雷哉…」
あたしは雷哉の背中に抱き着き泣いた。
わんわん声を出して子供のように泣いた。
雷哉も静かに泣きながらあたしの頭を優しく撫でてくれた。
あたしはその安心感で余計涙を流した。
「…泣くな…っ…」
雷哉は掠れた声であたしに言った。
「…瑠衣のとこに行くぞ…」
雷哉は人差し指であたしの涙を救い手を引っ張った。
あたしは黙って着いて言った。
瑠衣に会うのが正直怖い。
会ったらまた泣き崩れそうで…。
これは現実だって思い知らされそうで…。
まだ夢の中にいる。
そう思いたくって…。
昨日抱きしめてくれた肌の感触はまだハッキリ体が覚えてる…。
昨日キスした時の唇の感触も全てハッキリ…表情も全部…
あたしの体は瑠衣を覚えてる…。