甘い甘い恋

でも毎日付けていないと不安になる。

瑠衣がいなくなったから全て変えるのは嫌だ。

瑠衣がいた時のまんま全てが止まって欲しい。


もちろん時間も。

あの日に戻れたら…

考えつくことはそればっか。

あたしはいつか瑠衣のことを忘れる日が来るのだろうか?

忘れる日が来たらあたしは…

自分が自分じゃないんじゃないかってきっと疑う。

毎日きっと言い聞かせる。

瑠衣はちゃんとあたしの心の中で生きている。

そうやって。

あたしはスクバから鏡を取り出す。

この前瑠衣と撮りに行ったプリクラをみる。

瑠衣は優しく微笑んでいた。

あたしは瑠衣の横でピースをしている。

でも瑠衣はもうあたしに微笑んで何てくれない。

二度と……。

「瑠衣…もう一度でいいから…抱きしめてよ…」

あたしはベッドにもぐり独り言をいった。
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