甘い甘い恋
「…ヴァンパイアは死亡推定時刻が予想出来るんだよ…黙っててワリィ…」
雷哉がそう言った。
ありえない。
いくらヴァンパイアだからって…
「…ここ読めばわかるよ…」
雷哉が再びページをはねた。
『7月×日 ○曜日
僕…死亡推定時刻が…はっきり見えます…昨日までは見えなかったから…美嘉さんに告ったのに…僕は………死亡推定時刻ギリギリまで…美嘉さんを手放しません…
でもそんなことしたら美嘉さんは泣く???僕にはわかりません...答えが欲しいよ…』
瑠衣も困っていたんだ…
あたしばっかり悩んでたと思ったのに…
瑠衣…ごめんね……
あたし…
いつまでも瑠衣が大好きだよ…愛してる…
「…今日はこなへんにすっか。俺が日記預かっとく。一人で泣くなよ…」
ポンポンっ
雷哉があたしの頭を軽く叩いた。
今までにない優しい瞳をして…
あたしは雷哉に手を握られ立った。