甲子園の奇跡
諒大は他の野球部のみんなと、次の試合を観戦するそうで…

次の試合で明日の対戦チームが決まる。

偵察も兼ねて…ってことかな。


不意に胸が高鳴った気がしたけど、さっきまでスタンドで観戦してた熱戦のせい。



…いた。

ユニフォームに身を包み、球場の入り口付近であたしを待ってる諒大はすぐ発見できた。


『話がしたい』というあたしに諒大は少し困った顔をしてたけど、ここから近場にある宿舎付近に野球部が練習に使ってる公園があるというので歩いて行くことになった。


「明日、頑張ってね」

「…うん」


今日の諒大はちょっと冷たい。

口数も少ないし、あたしと目を合わせようとはしない。


チクリ、と胸が痛む。

やっぱり、迷惑だったのかな?


思いながらも、何故かあたしの胸はドキドキと高鳴って―――


そして、目的の公園に着くと、諒大は向き直り、口を開いた。

『話って?』
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