甲子園の奇跡

あたしとは逆に驚いた表情の諒大。


「…心」

黙ってあたしの顔を見つめる。

あたしも同じように諒大を見つめ返した。


「それ、また冗談…とか？」

「違うよ」

「ほ…んとに？」

「うん」

「マジで？！」



『うん』と言おうとした所で力強く抱き締められ、諒大の胸に顔を埋める。


「そんなの言われたらもう絶対離れられないけど、いい？」

「いいよ。ずっと一緒にいて」


感じる軽い吐息。

見つめあい、それが合図みたいに顔を近づけてそっとキスをする。

触れるだけの、優しい口づけを…。