Promise at Christmas
注文した料理が運ばれてくるまでの間、珈琲とジュースで談笑を楽しむ。

いつも会う時は智帆を交えた3人なので、今、未来と2人でいることが何となく新鮮で…。


やがて店員が料理を乗せたワゴンを押して、テーブルを訪れた。

俺の頼んだチキンステーキセットと、未来のトマトベーコンのパスタ。


ステーキのいい香りが運ばれてきて、俺は横に置かれたナイフとフォークを手に持ち慣れた手つきで動かし始めた。



「食べないの?」

食べることを促すように未来に声を掛ける。


目の前に置かれた料理に未だ手をつけず、彼女はただ黙って俺の顔を見ていたから。



「どうして言ってくれなかったの?」

どこか怒ったような、それでいて少し寂しげな表情の未来。


彼女は溜めていた息を吐き出すように言った。

「智帆が言ってたよ。遥ちゃんもうすぐ海外勤務になるって。2年は戻ってこないって本当?」
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