Promise at Christmas
"聞かなきゃ良かった"

未来の言葉を聞いた瞬間、俺の胸は後悔で一杯になる。


最初から分かっていたけど、心のどこかでは勘違いであって欲しいと願っていたのかもしれない。



「未来なら大丈夫だって」

決定的になった失恋の痛手を誤魔化す為、俺は未来に向かって笑って見せる。


だが相変わらず彼女の表情は曇ったまま。

下を向きっぱなしだった。



「何か…悩み事でもあった?」

悲しみに歪むその顔を見ていると、何か話さないとという気持ちになる。


俯いた未来の顔を下から覗き込むと、すぐさま視線を逸らされてしまった。


「こっちが好きでも振り向いて貰えないと意味ないよね」

未来は俺の手を握り締め、目尻に涙を溜めながら言った。

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