Promise at Christmas
家に帰り、まだ残っている作業を開始した。

ダンボールに荷物を詰める作業をしていると、改めてここを離れるんだなと実感させらされる。


「これで最後か」


最後の荷物を入れて、ガムテープを貼れば全て完了。

作業を終えた俺は脱力感に包まれ、部屋の床に横になるとうとうとと居眠りを始めた。


すぐ傍で放り出されたままの携帯が鳴っている。

ほんの少し遠ざかっていた意識をはっと元に戻すと、横になったままで鳴り続ける携帯を手に取った。



「俺だけど起きてた?」


電話の相手は、真崎。

先程まで一緒にいたのに何か急用なのだろうか。


よっぽどの用事がない限り真崎が電話をしてくるなんてまずない。



「起きてたけど何かあった?」

俺は携帯を左手に持ちながら、付けっぱなしになっていたテレビの音量を下げる為に右手でリモコンを持つ。



「お前さ、明日暇?」

「暇って言えば暇だけど。引越しの準備も終わったし」

「本当?頼みがあるんだけど!」


受話器ごしからは真崎のすがるような声。

こんな時は大抵ろくなことがない。
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