Promise at Christmas
街頭のイルミネーションが賑やかに輝いている中、コンビニの袋を持ち歩く男。

トボトボと歩きながら帰り道、俺は大きく息を吐いた。


街を彩る数々の建物の光。

住民の眠りと共に灯りを落としている。


リビングにはクリスマスツリー。

ローストチキンやクリスマスケーキを家族で仲良く囲んで食べて…

子供が寝静まった後には枕元に父親がこっそりとプレゼントを置く。

幸せそうな家族のクリスマス。


恋人達もまた、聖なる夜と言われるこの日を寄り添いながら2人だけの特別な時間を過ごす。

今頃、未来は…好きな男の横で幸せそうに笑っているのだろうか。


そんなことを考えていると余計に寂しさを感じてしまう。

1人身の俺はこの時が過ぎ去るのをじっと待つしかないのだ。


感傷的な気分になりながら家に着くと、最初に飛び込んできた光景を見て俺は驚きを隠せずしばし呆然と立ち尽くしてしまった。



「・・・・未来?」

やっとの思いで俺の口から出たのは愛しい君の名前。


家の前には膝を抱えてうずくまる未来の姿。

彼女はまた目に涙を溜める。


そんな未来と視線を絡み合わせながら俺は言った。

「今からツリーでも見にいかない?」
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