ウルヴォーグ
これ位の注意は確実しておかなければ、思春期の男子高校生が部屋に上がるんだから今までみたいに何度お茶とか用意している間に部屋中捜索されるのが目に見えている、やはりあれだもう一種のイベントとして世界中のDK達に根付いているはずだ。
念を押したため一様先に部屋に行くように促し、自分は台所へと向かう。

「あら、望今週も修きゅんきてるの??じゃ夜ご飯一人分多く作らないといけないわね。」

「あっ、お願い今日も名目は勉強と宿題だから.....きっとすぐ変わると思うけど。」

「ツッコミ入れてくれないのね、ついに望も反抗期突入!?なんてくだらないことはもういいわ、好きなだけ遊びなさい今だけなんだから限度を守れば若気の至りですむわ、宿題も大切だけど今しか学生時代しかできない思い出、経験、感情、行動、いろいろあるんだから、社会に出てからあの時もう少し遊んでおけばよかったもっと思いで作っておけばよかったなんて思ったって後の祭りでしかないんだしね、ある程度の無茶なら母さんも父さんも協力するわ........きっと、でそれで何が食べたい??いつもみたいにお粥でいい??」

「えっとぉ、母さんいつのまに修が来たらお粥って決め事ができてたの??」

「やったっ、望もツッコミしてくれたやればできるじゃないの、少しずれたところにもぼけいれておいたんだけど気づかなかったんだね。」

「う・・・・うん、まぁいいや今日は体力使うかもしれないからスタミナの付く脂っこいの作って。」

「わかったわ、母さん太っちゃう。」

「お願いね、修が待ってるから部屋行くね。」

「がんばってね遊び。」

母さんがエプロンを付け夜ご飯を作るためにキッチンへ向かうのを横目で流し見つつ部屋を出る。
しかし、勉強会の名目のはずが母さんの中ではすでに完璧に勉強会=お遊び会と定着してしまったみたいだった、残念ながらあながち間違っていないから否定はできないのが残念だと思いつつ自分の部屋に着いた。
早速修が勉強の準備に取り掛かってるのだろうと予想しつつドアを開けたとたんその予想はことごとく裏切られた。

「あれ??いない??修くんどこ行ったかな。」




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