夜空に恋するわたしたち ~素直になれたら~

☆ 一話 当たり前だったこと☆

ほんの 8ヶ月前は何も考えなくってよかったのに……

この楽しいことが当たり前だったんだ…




―8ヶ月前―




ミーン ミーン ジィッ ジィッ……



「だぁッ――ッ!!!
セミうっせェッ――ッ!!!」


イライラする…
こぉ~んなクソ暑いのにセミがウっさくて爆発寸前じゃァ――ッ!!!


「もう 響華のほうがウっさいよッ!!
暑いんだから怒鳴るなッ!!」



怒鳴るわたしに怒鳴って返すという矛盾をしている友達 加東(かとう) アキナ。



今は8月 ただでさえ暑い季節なのにこのコンクリートジャングルの東京では、暑さが逃げれる場所もなくどんどん暑くなる一方だ。



「んなコト言ったて しかたねぇじゃん。
暑いモンは、暑いんだよ。」



今日は夏休みということもありアキナと一緒に買い物にきているのだが……。

まさか今日がこんな灼熱地獄とは……
あぁ~、買い込んだ荷物が重い。




「ねぇ~ どうするぅ? 買いたいものは買ったし、帰る?」


アキナがダルそうに言ったきた。

たしかに、もう買い物はすんだし 特にやることもない。


けど、このまま帰るのもつまんない。

あ、そうだ。


「なぁ、実聡ん家行ってみる?」



椎葉 実聡(しいば みさと)。 実聡もわたしたちの友達で、わたしたちの中では、一番賢い。


最近は、塾やらなんらでまともに会えていなかった。



「あぁ~、やめてた方がいいよ。 アイツん家の親ウチらのこと良く思ってないよ。 『うちの子に悪影響だ』とか言ってんの聞いたことあるし。」



アキナは、「やめとけ やめとけ」と言いながら、無くなりかけのジュースをズーズー飲む。


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