白虎連合Ⅱ
「あらっ、華風さんのお兄さん?」
「あ、はい」
「顔そっくりですね」
一瞬だけ病室に入ってきた看護師さんは、私と寿の顔を見比べる。
そして直ぐに出て行ったけど。
…なんかもう慣れてきたわ。
「ほんで?何の用?」
「妹の見舞い」
「ご苦労様、ほなね」
「おい!!!」
ヒラヒラと手を振るけど、願いは叶わず。
結局寿はパイプ椅子に座り、りんごを剥き始めた。
ってかりんご剥けるんや。
「旨いやろ?」
「誰が剥いても美味しいけどな」
シャリシャリとりんごを食べ、それを見ないで寿はりんごを剥き続ける。
すると急に手を止め、
「お前まだ、俺のこと許してないん?」
小さな声で呟いた。
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