白虎連合Ⅱ







「…ゆいさん、なんすかそのチョコ」


「頼むからうちに聞かんといて」






校門で龍と合流し、とりあえずシートの下にチョコ達を入れる。

こんなに沢山、紙袋に入らへんからね。







「あれ?龍チョコは?」


「貰ってないっすよ、一個も」


「なんで?」


「何が入ってるか分からんからです」







今までチョコに何が入ってたか知らんけども。

きっと嫌な思い出あったんやろね。





真冬だからか、太陽が沈む速度は速い。

いつの間にか空は茜色に染まっていて。








「あ、龍」


「なんすか」


「はい、これ」








ガサガサとラッピングしたチョコを取り出し、龍に手渡す。

一瞬龍は目を見開いて。








「貰えないと思ってました、」











そう言って、笑った。








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