白虎連合Ⅱ
一瞬、何が起こったのかわからなかった。
重なった唇は離れていって。
「俺はゆいさんが他の男と一緒にいるだけでムカつくのに」
「ちょっ…!!!」
「ゆいさんは俺に対して妬いてくれないんすね」
ギュッと抱き締められると、龍の掠れた声が耳に響く。
泣きそうな、悔しそうな、そんな声。
こんな龍を私は知らない。
見たことがない。
今日は、知らないことばかり。
「龍っ、離して…」
「嫌です」
「龍!!!」
どれだけ身を捩っても、離そうとしても。
力が強くて適わない。
心臓が、ドキドキする。
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