白虎連合Ⅱ
下に下りて外に出ると、そこには黒のワゴン車。
運転席には雄大くん、助手席は英寿くん。
ワゴン車…。
一瞬過去を思い出しそうになったけど、鍵を閉めて紫織の手を握る。
車に近付くと二列目に座っていた龍が中から扉を開けてくれた。
地獄の、扉。
「ゆい?どしたん?」
「……………」
「ゆいさん?」
「え?あっ、紫織三列目乗って?」
「うんっ」
紫織が車に乗ったのを確認すると、私も二列目に座り扉を閉める。
車の中は暖房が効いてて暖かい。
それに安心し、龍と場所を交代して奥側に移動した。
「おっしゃーっ、海に出発!!!」
「汚いとこはやめろよ」
「いえっさー!!!」
テンションの高い雄大くんに突っ込みを入れる英寿くんは眠そうで。
車は発進し、一行は海へと目指した。
空は星がなくて、曇り。
もしかしたら雪が降るかもしれない。
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