白虎連合Ⅱ






一時間半走り続け、段々海が近くなる。

潮の香りが漂ってきて。



海なんて何年ぶりやろ。






「ゆい眠くないんけ?」


「うん、さっきまで寝てたし」


「紫織ちゃんは寝てるけどなっ」






確かに。



後ろを見ると、蓮の肩を枕にして紫織は寝ている。

蓮も蓮で、紫織の頭を枕にして寝ていて。



なんか幸せそう。






けど、コイツは…。







「んんー…」


「龍、重い」


「…………」


「はぁ…」







我が舎弟、龍は私の膝に頭を乗せてグースカ寝ている始末。

離そうと思って頭を押しても、更にしがみついてきて。



子供か。








「ゆいも大変やなーっ」


「まぁね」







早く海着かへんかな。









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