白虎連合Ⅱ







再び海水から起き上がり、英寿くんを睨む。



月の光で濡れた体はキラキラ光っていて。

少し長い黒髪が逆に色っぽい。



ムカつく!!!






「俺に勝とうなんて無理やからな」


「一回海入ったくせに」


「わざとや、わざと」


「あり得へん」





それこそわざとらしく笑う英寿くんを見て私も笑う。




ずっと皆と一緒にいたい。

こうやって笑っていきたい。




いつの間にか空は晴れていて。

でも、今日だけ星空が愛しく思えた。







「ほら、戻んぞ」


「はーい」






英寿くんと並んで砂浜までサブサブと歩く。

寒さで体が震えるけど、心は暖かい。









「お前等アホやろ」








呆れた顔で雄大くんにそう言われ、ちょっと冷めたけどね。








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