゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
お風呂から上がると、ベットへ寝転んだ。
窓を開けると、部屋の中に涼しい風が入ってきた。
「…恋かぁ。」
小さな声で呟いてみた。
なんだか、不思議な気分。
だって、愛だの恋だの自分には関係ないことだって思ってたのに。
人とあまり関わらないように、
ずっと壁を作ってひとりを貫いてきた。
母親だって、私を捨てた。
友達だと思ってた中学の同級生も、
見た目から大きく変わってしまった私から…離れていった、いや…逃げていった。
高校に入ってからも、変わらなかった。
みんな私を避けた。
私も避けた。
だから、誰も私の心のなかに入ってくる人はいなかった。
傷つくこともなく、
悩むこともなく、
ある意味、平凡で変わり映えのない日々。それで私は満足してたのに。
あの日から…。
あの放課後から…。
高原先輩と初めて会ったあの放課後から…私はひとりじゃなくなった。
誰も入ってこなかった私の心の中に…
―――――先輩はどんどんと入ってきた。