゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
な、なんで先輩謝るんだろ…?
確かに、先輩が告白されてるのを見てすごくつらかったけど…
それを先輩は知ってるの?
私はなんて言っていいのか分からず、ジッと先輩を見つめていた。
「お前を嫌な気持ちにさせたのは、俺なんだよな。悪かった。」
「そんな…先輩のせいなんかじゃ…」
「本当のこと言えよ。」
先輩の切れ長の瞳が真っすぐ私を見つめてくる。
本当のこと言っちゃったら、バレちゃうじゃない。………好きだって。
「母さんがお前送って帰ってきた時、
『あんたも杏ちゃんの気持ち分かってやりなさいよ。鈍感!』だって言われた。」
えみさん…
そんなこと言っちゃったんですか。
「俺、お前に何した?分からないんだよ、いくら考えても。」
苛立たしげに髪をクシャクシャする先輩があまりにも新鮮で…またちょっと胸がキュンとする。
先輩、告白されてたのが原因だってこと分かってないってことだ。
良かったぁ。
私はなんやかんやで言い訳して、先輩の追求を逃れた。
納得いかんみたいな先輩の顔がまた面白くて、可愛く見えた。
こんな先輩、みんなには絶対知られたくないなぁ…。
あ、何言ってんの私っ。