゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚



今日は朝から晴天。



「ごめんなさい。」


「あ~…そっか。」



それなのに私の心はどんより。

朝、登校してきた原田くんを呼び出した。ちゃんと返事しなきゃと思って。



「…理由とか聞いたら、ダメかな?」


「えっと…その…」



原田くんはポケットに両手を突っ込んで、上目遣いで私を見つめる。


先輩とは正反対の男の子だなぁ…。



「原田くんに私なんか釣り合わないし。」



原田くんならもっと明るくて可愛い女の子がお似合いだよ。



「ほんとにそれが理由?」


「う、うん…。」



嘘じゃない。

でも一番の理由は…



「好きな人いるんだろ?」


「え、い、いな…」


「分かるよ、俺ずっと里村のこと見てたんだから。」



そんな恥ずかしい言葉を言われて、思わず顔が真っ赤になる私。


それを原田くんは勘違いしたみたいで…



「ほらな。」


「・・・」


「ま、その好きな人が誰かはあえて言わないけど。」



原田くんは悔しそうに前髪をかきあげると“あ~くそ。”とかなんとか言っていた。

原田くんには私が先輩を好きなこと…
バレちゃってたんだ。


なんだか恥ずかしい。



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