゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚



でも、



「原田くん。」


「ん?」


「こんな私、
好きになってくれてありがとう。」



私を好きになってくれる人なんて、いないと思ってた。


誰も私なんか見てないと思ってた。


それなのに、原田くんは私を…誰とも交わろうとしない孤立した私を見てくれてた。



好きとか嫌いとかそういう感情は抜きに、すごく嬉しかった。



だから、素直にお礼を言いたい。



「里村…そういうのずりぃ。」


「え?」


「可愛いこと言うなよな。」


「ええっ?」



は、原田くん!何を言うの!?



「正直言うと、ちょっと焦ったんだよ。
ずっと見てた里村が…最近すごい雰囲気変わってきて、可愛くなって。そしたら、ずっと俺しか見てないと思ってたのに、みんな里村を見るようになって。」



原田くん…。そんなこと思ってたんだ。
初めて知った。



「なんか勝手に里村のことは俺が一番知ってる、俺にしか里村のこと分からないって…思い込んでた。それで焦って里村に告白した。バカだよな、俺。」



ちょっと悲しそうに笑う原田くんを見て、私はすごく胸がギュッと締め付けられた。


「私が言うのもどうかと思うけど…
原田くんはすごいよ。」



< 126 / 156 >

この作品をシェア

pagetop