゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚



私怖くて逃げちゃってるだけじゃない。



逃げてちゃ…なんにもできない。



私のお気に入りの小説にも出てきた。
いつも難事件に巻き込まれる探偵の口癖。



――――――『逃げるな、向き合え!』



本当にそうだよ。


せっかくみんなが私と向き合ってくれたんだもん、先輩とも向き合わなきゃ。



「原田くん…ありがとう。」


「別にいいよ。」



そう言葉を交わしたところで朝のチャイムが鳴った。


先に教室へ向かおうとしていた原田くんが“あっ”と言い、振り向いた。



「俺、里村のこと…
そんなに簡単に諦められないから。」


「え…」


「ほら、ホームルーム遅れるぞ。」


「う、うん…。。」



原田くん、最後に爆弾投下するのやめてくれないかな。



諦められないからって…



どうしよ!?



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