゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚



「おい、杏?」



誰もいない放課後の図書室に響く声。


静かだと、小さい声もよく通る。



「あんず……………?」



もう一度声をかけようとした時、いつも杏の座ってる図書委員の机にふと目が止まった。


近づいてみる。



「…飴?」



カウンターの上に、水色と白のストライプの紙に包まれた飴が3つ…転がっていた。


俺が一番好きなミルク味の飴。


いつも制服のポケットに入ってるやつだ。

きっと杏の仕業だよな。
俺がこの飴が好きなのを知ってるのは、
杏くらいだ。



「何がしたいんだよ。」



昨日の帰りもとっとと先に帰って、朝も先に行くってメールしてきたっきり何を聞いても返信もしてこなかった。



謝ろうにも謝れない。



それなのに何なんだ、この行動は。



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