゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚



小説にのめり込み、10ページくらい読み進めた頃…ふと本から顔を上げ、横の窓の外を見た。



私の席の窓の外は、ちょうど中庭。


中庭の真ん中には大きなポプラの木が植わっている。


あのポプラの木の下で日向ぼっこしながら読書できたら最高だな…なんて、いつも思う。



そんな夢心地で窓の外を眺めていると、後ろの席に固まってる女子グループの1人が少し大きな声を上げた。



「あ、高原先輩がいる!」


「え、まじ!?どこどこ??」


「あそこ!あのベンチ!」


「キャー☆ホントだ♪カッコイイ♪」



キャーキャー騒ぐ女子達。


何気に中庭のベンチ辺りに目を向けてみた。


するとそこのベンチには、長い脚を組み、本を片手に広げ読書中の高原先輩がいた。


心地良さそうな日を浴びて、高原先輩はキラキラと輝いているように感じた。


イケメンが日に当たると輝くのか…。


それにしても、凄まじいくらいの人気。



「高原先輩、授業サボってるのかな~?」


「いーんじゃない?頭イイしカッコイイし♪」



カッコイイは関係ないでしょ。


なんて女子の発言に心のなかでツッコミながら…高原 葵情報を整理していた。


頭良いんだ。
『ねこのあしあと』とか読んでるくせに。

あ、ってことは動物好きか。


ん?授業サボってるってことは、あんまり真面目じゃない?



ん?ちょっと待って?


なんで私こんなに高原先輩のこと、分析してるのよ。



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