゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚



おかしいなぁ…図書室に来た時は、私に笑いかけるんだけど。



確かに?話す時とかちょっとぶっきらぼうな感じはするけど。



女子が苦手なのか?高原先輩は。


でも私も女子。…あ、私は女子として見られてないのか。



――――――――チクッ。



あれ?何?このチクッて感じ。


何で胸がチクッて痛いんだろ。


病気?私病気かな。



「昼休み、保健室行こう。」



この胸の痛みの正体を知らない私は、よく分からない気持ちを抱きながら…午前の授業を受けた。



――――――――――――・・・



「胸がチクッと痛い…ねぇ…ん~?」


「病気でしょうか、私。」



昼休み、私は保健室を訪れていた。

優しく生徒想い、可愛くて人気な保健室の先生に真剣に聞く私。


先生は困ったように眉を下げ、ん~と考えている。



「多分病気じゃないとは思うんだけど…」


「思うんだけど?」


「里村さん、ちゃんとご飯は食べてる?」


「え?ご飯ですか?」


「うん。
もうちょっと太ったほうがいいわ。」


「…はい。」


「まぁ、倒れたりしないならそのままでもいいかもしれないけどね。」



先生は優しく笑って、“また痛むようならいらっしゃい”と言ってくれた。


私はお礼を言って保健室を出た。




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