゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
集中できなかった午後の授業を終えて、
私はサッサと支度をしていつものように図書室へ向かった。
今日は利用者…ん~1人…いや2人かな?
なんて、予想して見ながら図書室へ入って定位置につく。
貸し出し表を見ると、今日返却になっている本に目が止まる。
『ねこのあしあと』…高原先輩だ。
―――――――ドキッ…。
あれ?何?今、ドキッてした。
高原先輩の名前見ただけ…何で?
「気のせいかな。」
「何が気のせいなんだ?」
「ひゃあっ…高原先輩!」
目の前には不思議そうに首を傾げる高原先輩が立っていた。
びっくりしたぁ…いつの間に?
びっくりしたせいか、心臓はバクバクだった。
「突然現れないで下さい。驚きます。」
私は落ち着こうと胸をさすりながら、チラリと背の高い高原先輩を見上げた。
すると、高原先輩は机のカウンター部分に腕をついた。
「不意打ち狙ってみた。
さっきの反応、良かったぞ?」
なんて、意地悪な笑みを浮かべながら言う高原先輩。
高原先輩は、Sっ気ある。…たぶん。