゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
――――――『俺がお前を変えてやるよ』
「何言ってるんですか?」
「何って、そのまんまだけど?」
何言ってんだ的な顔で私を見つめてくる高原先輩に、私は何も言えずただ先輩を見ていた。
どういうこと?
なにそれ。
口の中のミルク味のキャンディーがなくなりかける頃、私はもう一度先輩に訊ねてみた。
「何ですか?突然。」
「突然って、俺は言おうと思ってたけど、お前が逃げるから。」
「そんなの知りませんよ。」
ムッとした私に、高原先輩は軽くため息をつくと…何をするのかと思うと、私の右頬に触れた。
慣れない感触。
くすぐったいような暖かさに私はぴくっとなった。
「お前…もったいねぇよ。」
「え…?」
私は聞き返した事を後悔した。
だって、高原先輩…何て言ったと思う?
…すごく真剣な眼差しで。
「お前…綺麗なのに。」
言葉がでない。
変なこと言わないで、私が綺麗なわけないじゃない…って言いたいのに。
嘘に決まってるのに、
ちょっと嬉しいと思ってる自分がいる。
綺麗だなんて、初めて言われた。
私は何故かくすぐったい気持ちで胸がいっぱいだった。