゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
「な、何言ってるんですか?冗談にも…」
「冗談に…聞こえたか?」
「・・・」
高原先輩のあの真剣な眼差し…
ちょっと信じてしまいかけた。
「私のどこが。先輩おかしいです。」
「あぁ、そうかもな。自分のことを全否定して、自分から周りと孤立してひとりになろうとする馬鹿な女に綺麗だなんていう俺がおかしいのかもな。」
先輩はちょっと怒ったようにそう言い放つと、私から目を逸らして窓の方を見た。
な、何なの?
綺麗だとかいったくせに、
今度は私のことけなすだけけなして。
「でも…お前を変えてやりたいと思ったのは本当だ。お前をもっといい女にしてやる。」
「そんな…か、勝手に決めないで下さい!別に私、綺麗になんかなりたくない…」
最後まで勢いがもたなかった。
綺麗になんか…
どうせ…私なんか綺麗になれるわけ…
「杏…」
目を逸らしたのに、高原先輩は小さい子にいうように優しい声で私の名前を呼ぶ。
ずっと先輩の手が触れている頬が熱い。