゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
「俺は絶対お前を裏切らない。
…だから、俺に全てをまかせろ。」
こんなに熱い目でそんなことを言われて、“はい”以外…なんて返事をしろっていうの?
私は無意識の内に、コクンと頷いていた。
すると、高原先輩はふわっと包み込むように優しく微笑んだ。
―――――――――きゅん。
あ、あれ?何だろ。胸がきゅんとした。
それに何か心の中があったかくなったような…。
私は不思議な感覚に戸惑いながら、目の前で微笑む高原先輩を見つめていた。
なんだ、高原先輩ってみんなが言ってるほど冷たい人じゃないじゃん。
笑ってるよ。こんなにも優しい顔で。
みんな、おかしいなぁ…。
「よし、じゃあ今日はもう帰るぞ。」
「へ?」
そう言って、高原先輩はすでに私のカバンを肩に引っかけていた。
え?え?
帰るぞ…って。
「ま、まだ帰れませんって。誰か来るかもしれないから…」
私の予想では、今日の図書室利用者は2人なんです!
「ったく、仕方ねーな。
まぁ、誰も来ねーと思うけど。」
「そんなの分かりません。」
一歩も引かない私に、高原先輩はやれやれといった感じで…それでも30分くらい待っていてくれた。
難しそうな本を読みながら。