゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
「甘い香りに誘われて」
「『スイーツ*メモリー』?」
「こっちこい。」
やっと高原先輩が立ち止まったと思ったらそこは街角にある小さなお菓子屋さんだった。
花でふち取られた真っ白な看板には、
手書きのような字で【スイーツ*メモリー】と書いてあった。
外観はオフホワイトの優しい感じ。
入り口の屋根は柔らかいレモンシャーベットのような色で明るい。
何だか本に出てくるようなメルヘンなお菓子屋さん。
何だかちょっとウキウキした。
でも、高原先輩はそのお店の入り口から入らず…そのお店の角を曲がったところにある裏口のドアを開けた。
え?
「せ、先輩っ…どこ行くんですか!?」
「いいから静かにしろ…見つかるだろ。」
み、見つかったらヤバいの!?
高原先輩、なに考えてるの??
私はあたふたしながら、先輩の後について中に入る。
―――――――――ドンっ。
いきなり先輩が立ち止まったために、その背中に顔からぶつかった。
痛いっ…止まるなら止まるって言ってくれればいいのに。
そんなことを思いながら、打った鼻をさすった。