゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
「あぁ、葵お帰り~。」
「…げ。…ただいま。」
「なにが“げ”なの?」
「いや、俺上で勉強するから。」
「はいよ。」
背の高い高原先輩が壁になって前が見えない。
高原先輩は誰かと親しげ(?)に話していた。
声だと、女の人。
私は気になってちょっと覗いてみようとするけど、先輩がそうさせてくれない。
そしてその女の人がどこかへいく足音がしたと思うと、先輩はひと息つき、私を先頭に階段を上がらせた、と思ったら…
「葵、ちょっと待ちなさい?」
後ろからそんな声が聞こえた。
すると、先輩はチッと小さく舌打ちし、渋々また階段を降りた。
私もその後ろに続いて、階段を降りる。