゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
「お前、よく笑えるようになったな。」
「え?」
おかわりした紅茶をフゥフゥと冷ましていると、高原先輩がふとそう言った。
「お前、ここに来てからずっと笑ってる。学校にいるときと別人みたいに。」
先輩…ずっと見てたんだ。
私はらしくなく…恥ずかしくなってカップの中で波打つ紅茶を見つめた。
「お前はもっと変われる。
…俺が変えてやる。」
顔を上げると、高原先輩は優しい笑みで私を真っすぐ見つめていた。
どうしてそんなに私を…
私は意を決して、口を開いた。
「あの…高原先輩。」
「ん?」
眉をクッと上げ、私の言葉を待つ先輩。
きっと彼女にもこんな優しく話を聞いてあげてるんだろうな…。
って何考えてるんだろ私…。
「何で私なんかに構うんですか?」
先輩はなんて答えるんだろう。
なんとなく面白いから?
私みたいな地味な子が珍しいから?
高原先輩は、私の問いにしばらく黙ったまま紅茶を啜っていた。