゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
「杏は…俺が迷惑か?」
「え?」
「俺がお前に構うの、嫌か?」
まさかの質問返しで、私は慌てた。
高原先輩と初めて会った日…
雨の日の図書室。
ちょっと居眠りしてしまった私をからかったり、お前とかあんた呼ばわり。
ついには私の事をか、可愛いとか変なことを言い出したり、下の名前で呼んできたり…。
学校中の女子に不動の人気を誇る高原先輩と、関わると面倒だと思った。
なるべく避けていた。
普通に生活したい私に構ってくる
高原先輩が嫌だった。
でも、
「…嫌、じゃないですけど…。」
今は、嫌じゃない。
何故か分からないけど。
高原先輩といるこの雰囲気が、
ちょっと心地よくなってきてる。
不思議と素の自分が出てくる気がする。